精神障害者保健福祉手帳(あるいは障害年金)の1級・2級・3級という等級について、それぞれの違いを具体的に解説します。
「自分や家族の状態はどの等級に当てはまるんだろう?」「等級が変わると、受けられるサポートや実際の生活はどう違うの?」といった疑問に答えられるようにまとめました。
【最新解説】精神障害の1級・2級・3級はどう違う?状態の目安と手厚い支援を分かりやすく解説!
「精神障害の手帳や年金の申請を考えているけれど、1級・2級・3級って具体的に何が違うの?」
そんな疑問を抱えていませんか?
病名や診断名だけを聞くと、「この病気だから〇級」と決まっているように思われがちです。
しかし実際には、「その障害によって日常生活や仕事にどれくらい支障が出ているか(生きづらさの度合い)」によって等級が判断されます。
今回は、精神障害の1級・2級・3級それぞれの具体的な生活イメージ、判断のポイント、そして受けられる支援(メリット)の違いまで、徹底的に掘り下げてお届けします。
等級を決める一番のキモは「日常生活能力」
まず知っておきたいのは、等級審査で医師や認定機関が一番注目しているポイントです。
審査では、以下のような7つの項目を中心に「一人でどれくらいできるか」がチェックされます。
- 適切な食事をとれているか(調理や栄養バランス)
- 身の回りの清潔を保てているか(入浴、着替え、掃除)
- 金銭管理や買い物が適切にできるか
- 決まった日時に通院し、正しく服薬できているか
- 他人との意思疎通や対人関係がスムーズか
- 危機対応や安全管理ができるか(火の不始末やトラブル対応など)
- 社会手続きや社会参加ができるか
これらが「一人でできるか」「声かけや見守りがあればできるか」「ほとんどできないか」によって、1級から3級までの区分が決まっていきます。
それでは、各等級の具体的な姿を見ていきましょう!
1級の生活イメージ
1級は、「誰かの介助や見守りがないと、日常の生活を送ることが著しく難しい状態」です。
一言で言うなら「常にサポーターが必要なレベル」といえます。
たとえば、次のような状態が日常的に続いています。
・食事や衛生
布団から起き上がることができず、食事を抜いてしまう。
お風呂に入ったり服を着替えたりすることが、声をかけられないと何日もできない。
・外出と通院
一人で外に出ると道に迷ったりパニックになったりするため、家族やヘルパーの付き添いがないと通院すら難しい。
・安全やお金
部屋の片付けや火の始末ができず、金銭の概念が揺らいで自分で生活費を管理することが困難。
基本的には自宅や病院などの安全な環境で過ごし、家族や福祉サービスの強力なバックアップを受けて暮らしている状態です。
2級の生活イメージ
2級は、「必ずしも24時間の介助は不要だが、完全に一人で生活を回すには大きな制限やリスクがある状態」です。
「調子が良い時は自分のことができるけれど、少しストレスがかかると一気に崩れてしまう」という揺れ幅の大きさが特徴的です。
具体的には、以下のような悩みが多く見られます。
・日常生活
簡単な食事を作ったり買い物をしたりはできるが、栄養バランスが極端に偏ったり、掃除や洗濯が長期間滞って部屋が荒れてしまったりする。
・外出や対人関係
行き慣れた近所のコンビニには行けるものの、電車が遅延するなどの不測の事態(ハプニング)が起きるとパニックを起こし、一人で対処できない。
・就労面
一般的な労働(フルタイムなど)をするのは非常に困難で、働くとしても福祉的な就労支援(就労継続支援A型・B型など)を受けたり、短時間の特別な配慮のもとでしか続けられないことが多いです。
「見かけ上は元気そうに見える時間もあるけれど、生活を維持するためには定期的な訪問看護や家族のサポートが欠かせない」のが2級の大きな目安です。
3級の生活イメージ
3級は、「日常生活の基本的なことは概ね自分でこなせるが、社会生活(特に仕事や人間関係)において強い制限や生きづらさがある状態」です。
周囲からは一見して病気や障害があるように見えないことも多いため、「ただの怠けでは?」「努力が足りないのでは?」と誤解されやすく、本人にとって精神的な負担が大きい等級でもあります。
主な特徴は次の通りです。
・日常生活
食事、入浴、買い物、通院などは基本的に自分一人でこなすことができます。
・社会・職場での課題
マニュアル通りならこなせるが、予定外の仕事や複数の業務を同時に頼まれると頭が真っ白になってしまう(フリーズする)。
人間関係で著しくストレスを溜め込みやすく、仕事を終えて帰宅すると倒れ込むように寝込んでしまう。
・就労面
一般的な企業で働いている場合でも、残業ができなかったり、勤務時間を短縮してもらったり、障害者雇用枠などの「合理的配慮」が不可欠となります。
なお、手帳と年金で少し扱いが異なる点として、障害年金においては「原則として3級は厚生年金(会社員・公務員期に初診日がある人)にのみ存在する」というルールがあることも覚えておくと便利です。
等級によって「受けられる支援・手当」はどう変わる?
手帳を取得したり障害年金を受け取ったりする際、等級によって経済的なサポート内容も段階的に変化します。
1. 精神障害者保健福祉手帳の支援内容
手帳を持っていると、税金の控除や公共料金の割引といったメリットがあります。
・1級の強み
税金面で「特別障害者控除」が適用され、控除額が非常に大きくなります(所得税40万円、住民税30万円など)。
また、自治体によっては一般疾患も含めた「心身障害者医療費助成」の対象になり、医療費の自己負担が大幅に軽減されるなど、最も手厚い制度が用意されています。
・2級の支援
税金の「障害者控除」(所得税27万円、住民税26万円)が受けられます。
自治体のバスや電車の無料乗車券、各種割引サービスの多くが2級までを手厚くサポートしています。
・3級の支援
実は税金の控除額(所得税27万円、住民税26万円)は2級と同額です!「3級だから意味がない」ということは全くありません。
映画館や施設などの障害者割引、そして最大のメリットである「障害者雇用枠での就職活動」への応募資格が得られます。
※航空運賃の割引や障害者雇用枠の利用など、等級に関係なく共通で使えるサービスもたくさんあります。
2. 障害年金(受給額)の違い
障害年金を受給できる場合、1級と2級ではベースとなる受給額に大きな差があります。
・1級
2級の基本額の1.25倍の年金が支給されます。
一人で生きていくのが困難な状態を想定しているため、手厚い保障になっています。
・2級
障害基礎年金の満額(80万円前後/年)をベースとした基本額が支給されます。
・3級
障害厚生年金から支給され、最低保障額(約60万円/年)などが設定されています。
おわりに:等級は「今のあなたを守るためのパスポート」
精神障害の1級・2級・3級の違いをおさらいすると、次のようになります。
・1級
常に誰かの手助けや介護が必要で、自宅や施設で手厚いケアを受けている状態
・2級
身の回りのことは一部できるが、一人で生活するには大きな不安があり、見守りや訪問支援が必要な状態
・3級
身の回りの生活はできるが、働いたり社会で生きていく上で配慮や環境調整が必要な状態
手帳の等級や年金の認定は、「あなたがどれだけ重い病気か」をレッテル貼りするためのものではありません。
をはかるための「応援チケット(パスポート)」のようなものです。
病状や環境によって等級は定期的な更新時に見直すこともできますし、「もっと配慮が必要になった」「症状が落ち着いてきた」という場合に変更の申請を行うことも可能です。
「自分はどの等級に当てはまるのかな?」と悩んだら、まずは主治医や精神保健福祉士(PSW)、あるいは地域の障害福祉窓口や精神保健福祉センターへ気軽に相談してみることをおすすめします。
あなたが必要なサポートをしっかりと受け、少しでも心が軽くなる生活を送れるよう応援しています!
以上、ご参考になれば幸いです。
